このファイルをAIアシスタントのシステムプロンプトやコンテキストに追加すると、AI特有の記述パターンを避けるのに役立ちます。 Source: tropes.fyi by ossama.is
「静かに」のような副詞で、控えめな重要性や見えない力を演出しすぎる癖。平凡な描写をそれっぽく見せるために、「深く」「本質的に」「著しく」「驚くほど」などもまとめて多用されがちです。
避けたいパターン:
- 「意思決定ややり取りを静かに支えている」
- 「他のすべてを静かに締めつけていく」
- 「その背後には静かな知性がある」
いかにも賢そうに見える語の使いすぎ。英語圏でいう delve に近い役割を、日本語では「掘り下げる」「活用する」「最適化する」「効率化する」「包括的」「堅牢」あたりが担いがちです。
避けたいパターン:
- 「この点をさらに掘り下げていきましょう」
- 「堅牢なフレームワークを活用する必要があります」
- 「包括的なアプローチによって効率化を実現できます」
単純な話を、壮大な名詞で飾りすぎる癖。何でも「織りなす」と言い、どんな分野でも「ランドスケープ」と呼び、少し関係があるだけで「エコシステム」と表現します。
避けたいパターン:
- 「人間経験の豊かな織りなす世界」
- 「現代AIの複雑なランドスケープを読み解く」
- 「進化し続けるテクノロジーのエコシステム」
ただの「〜である」「〜だ」を避けて、「〜として機能する」「〜を体現する」「〜を象徴する」「〜の節目となる」などに置き換える癖。文を偉そうに見せる割に、情報量は増えません。
避けたいパターン:
- 「この建物は都市の歴史を思い起こさせるものとして機能している」
- 「このギャラリーは現代美術の展示空間として機能している」
- 「この駅は地域交通の進化における転換点を象徴している」
「Xではない。Yだ。」の型。とくにダッシュや強い切断を伴うと、何でも深い再定義のように見せる癖になります。1回なら効いても、何回もやると急にAIっぽくなります。
避けたいパターン:
- 「それは大胆なのではない。時代錯誤だ。」
- 「これは栄養ではない。延命処置だ。」
- 「追いかけているバグの半分はコードの中ではない。自分の頭の中にある。」
二つ以上を否定してから本題を出して緊張感を作る型。実際には大したサスペンスでもないのに、真実へ絞り込んだ感じだけを演出します。
避けたいパターン:
- 「バグではない。機能でもない。設計上の欠陥だ。」
- 「10件ではない。50件でもない。67ファイルに散らばる523件のlint違反だ。」
- 「無謀ではない。完全でもない。でも、十分にまずい。」
自分で問いを立てて、次の句で即答する修辞疑問。誰も聞いていない問いを自作して、ドラマを作ります。
避けたいパターン:
- 「結果は?壊滅的だった。」
- 「最悪なのは?誰も気づかなかったことだ。」
- 「本当に怖いのは?この攻撃経路が開発者にとってあまりにも自然なことだ。」
同じ文頭を短い間隔で何度も繰り返す癖。修辞としては有効でも、連発するとテンプレ感が強くなります。
避けたいパターン:
- 「ユーザーが払うと想定している。開発者が作ると想定している。エコシステムが自然に生まれると想定している。」
- 「公開できる。提供できる。作れる。解放できる。拡張できる。」
- 「エンジンは作ったが、乗り物は作っていない。力は作ったが、使い道は作っていない。壁は作ったが、扉は作っていない。」
三つ並べると文章は綺麗に見えますが、それを何度もやると「整いすぎたAI文」になります。三項どころか四項五項に伸びるとさらにそれっぽくなります。
避けたいパターン:
- 「製品は人を感心させる。プラットフォームは人を力づける。製品は問題を解く。プラットフォームは世界を作る。」
- 「認証、決済、計算資源、配信」
- 「ワークフロー、意思決定、インタラクション」
何も接続していないのに、重要そうな接続句で新しい論点を導入する癖。「注目すべきは」「重要なのは」「興味深いことに」「特筆すべきは」などが入りがちです。
避けたいパターン:
- 「注目すべきは、このアプローチには限界があるという点です。」
- 「重要なのは、より広い影響を考慮しなければならないことです。」
- 「興味深いことに、このパターンは業界をまたいで繰り返されます。」
文末に「〜を浮き彫りにしている」「〜を示唆している」「〜に寄与している」といった分析もどきを付け足して、深そうに見せる癖。実際には何も増えていないことが多いです。
避けたいパターン:
- 「地域の豊かな文化遺産に寄与している」
- 「この語源は、共同体の抵抗の持続的な遺産と、結束がアイデンティティ形成にもたらす変容的な力を浮き彫りにしている。」
- 「活動と文化のダイナミックな拠点としての役割を強調している」
「XからYまで」の形を、本当は連続した尺度でもないものに使う癖。本来は中間が意味を持つときに有効なのに、AIはただ二つ挙げたいだけで使いがちです。
避けたいパターン:
- 「イノベーションから実装、さらには文化変容まで。」
- 「ビッグバンの特異点から壮大な宇宙の網目構造まで。」
- 「問題解決や道具作りから、科学的発見、芸術表現、技術革新まで。」
最初の文で言い切ったあと、主語のない短い断片を三つも四つも並べる癖。名詞句だけの文や体言止めの連発で、リズムだけを作ります。
避けたいパターン:
- 「小さなバグ修正。単純な機能追加。定義済みチケットの実装。」
- 「プルリクの確認。エッジケースのデバッグ。アーキテクチャ会議への参加。」
- 「もっと速く。もっと早く。もっと多く。」
一文だけ、あるいは断片だけの短い段落を過剰に使って、人工的な強調を作る癖。読みやすさの名のもとに、思考の自然な流れが失われます。
避けたいパターン:
- 「彼はこれを出版した。公然と。本で。しかも司祭として。」
- 「それは単なる製品ではなかった。ソフトウェア面も揃っていた。そして制度化された。でも私は適応した。」
- 「プラットフォームはそうする。」
実質はリストなのに、段落として書いてごまかす型。「第一に」「第二に」「第三に」を段落に埋め込むだけで、結局リスト記事と変わりません。
避けたいパターン:
- 「最初の壁は、無料でスコープ付きのAPIがないことだ。次の壁は、委譲アクセスがないことだ。三つ目の壁は、権限スコープがないことだ。」
- 「第二の示唆は〜。第三の示唆は〜。第四の示唆は〜。」
大した内容でもないのに、重大な暴露が来るように構える癖。「ここが肝です」「ここで重要なのは」「ここから面白くなります」などで妙なサスペンスを作ります。
避けたいパターン:
- 「ここが肝です。」
- 「AI導入で本当に大事なのはここです。」
- 「ここから面白くなります。」
読者は比喩なしでは理解できない前提で話す癖。親切さのつもりが、かえって恩着せがましくなります。
避けたいパターン:
- 「データのための高速道路だと考えてください。」
- 「ワークフローのためのスイスアーミーナイフのようなものです。」
- 「停めたままの車に座る権利だけを買わせるようなものです。」
未来の理想像を提示して論点を売り込む癖。「想像してみてください」で始めると、一気にAI営業資料っぽくなります。
避けたいパターン:
- 「あなたが使うすべてのツール――カレンダー、受信箱、ドキュメント、CRM、コードエディタ――の背後に静かな知性がある世界を想像してみてください。」
- 「その世界では、ワークフローは手作業の連なりではなく、オーケストレーションになります。」
誠実さや自覚を演出するために、少しだけ本音っぽいことを差し込む癖。本当の脆さではなく、安全な自己演出になりがちです。
避けたいパターン:
- 「正直に言うと、私はこのプラットフォームモデルが大好きです。」
- 「率直に言えば、OpenAI、Google、Anthropic、Metaのことを見ています。」
- 「これは愚痴ではない。診断だ。」
自分の主張が明白だと言い張って、証明の手間を省く癖。読者に「わかるはず」と圧をかけるだけになりがちです。
避けたいパターン:
- 「現実はもっと単純で、もっと耳の痛いものです。」
- 「この点について歴史は明確です。」
- 「歴史も明確、指標も明確、事例も明確です。」
どんな話題でも、人類史レベルの重要性に膨らませる癖。API料金の話が文明論になり始めたら、その匂いがします。
避けたいパターン:
- 「これは私たちがあらゆることを考える方法を根本から変えるでしょう。」
- 「次の計算時代を決定づける」
- 「まったく新しい何か」
相手を常に生徒扱いする説明口調。専門家向けでも、毎回やさしく手取り足取り始めるとテンプレ感が出ます。
避けたいパターン:
- 「これを順を追って分解してみましょう。」
- 「これが本当に意味するところを解きほぐしてみましょう。」
- 「このアイデアをさらに掘り下げていきましょう。」
誰が言ったのかを明示せず、「専門家」「観測筋」「業界レポート」などで権威を借りる癖。出典をぼかしたまま、広く合意されているように見せます。
避けたいパターン:
- 「専門家は、このアプローチには大きな欠点があると指摘しています。」
- 「業界レポートによれば、導入は加速しています。」
- 「複数の観測者は、この取り組みを転換点だと評価しています。」
それっぽい複合語を発明して、定義も議論も飛ばす癖。「〇〇の罠」「〇〇パラドックス」「〇〇ギャップ」などを乱発すると、一気にAI感が出ます。
避けたいパターン:
- 「監督のパラドックス」
- 「加速の罠」
- 「業務肥大」
強調、脱線、転換のたびにダッシュを打つ癖。人間でも使いますが、AIは一つの文章に何本も入れがちです。
避けたいパターン:
- 「問題――しかも誰も語りたがらない部分ですが――は構造的なものです。」
- 「いじり手の精神は自然死したのではない――買収されたのです。」
- 「無謀ではない、完全でもない――でも十分だ――問題になるには。」
箇条書きのすべてが太字キーワードで始まる型。Markdown で特によく出る AI の癖です。
避けたいパターン:
- 「すべての箇条書きが太字のキーワードで始まる。」
- 「セキュリティ: 環境変数ベースの設定により…」
- 「性能: 高コストなリソースの遅延読み込み…」
矢印やスマートクォートなど、普通のキーボードで打たない記号を飾りとして使いすぎる癖。とくに → はかなり目立ちます。
避けたいパターン:
- 「入力 → 処理 → 出力」
- 「より良い結果 → より高いエンゲージメント」
- 「“スマートクォート” を普通の "quotes" より好む」
「これから話すこと」「いま話していること」「今話したこと」を、節ごと・章ごと・文書全体で繰り返す癖。要約の入れ子で本文が薄まります。
避けたいパターン:
- 「この節では〜を見ていきます……[3000語後]……この節で見てきたように」
- 「直前の3000語を丸ごと言い換える結論」
- 「こうして私たちは出発点に戻る。」
一度出した比喩を、文章全体で何度も使い回す癖。人なら一度使って終える比喩を、AIは記事の最後まで引きずります。
避けたいパターン:
- 「エコシステムがエコシステムを必要とし、エコシステム価値を生む」
- 「同じ記事の中で『壁と扉』を30回以上繰り返す」
- 「どの段落でも結局また『プリミティブ』に戻ってくる」
とくに技術記事で多い型。歴史上の企業や技術転換を次々並べて、権威っぽさを水増しします。
避けたいパターン:
- 「AppleはUberを作らなかった。FacebookはSpotifyを作らなかった。StripeはShopifyを作らなかった。AWSはAirbnbを作らなかった。」
- 「主要な技術的転換――Web、モバイル、ソーシャル、クラウド――はすべて同じパターンだった。」
- 「Spotifyを見てみよう。あるいはUber。Airbnbも同じだ。Shopifyもそうだ。Discordですらそうだ。」
ひとつの主張しかないのに、比喩や例を替えながら延々と言い換える癖。包括的ではなく、単なる反復です。
避けたいパターン:
- 「同じ主張を4000語かけて八通りに言い換える。」
- 「各セクションが別の比喩で主張を言い換えるだけで、新情報がない」
同じ節や段落を、同一文書内でほぼそのまま繰り返す癖。長文になるほど起きやすく、未編集AI文の強い手がかりです。
避けたいパターン:
- 「同じセクションが一語一句そのまま二回出てきた。」
- 「第3段落と第17段落が、ほぼ同じ文を言い換えているだけだった。」
「結論として」「要約すると」「まとめると」と明示してしまう型。書き手の構造をそのままラベル貼りしていて、自然な着地になりません。
避けたいパターン:
- 「結論として、AIの未来は〜にかかっています。」
- 「要約すると、私たちは三つの重要なテーマを見てきました。」
- 「まとめると、証拠は〜を示唆しています。」
いったん課題を認めてから、すぐに打ち消して前向きな結論に戻す硬直した型。毎回同じ拍子になるので、誠実な検討に見えません。
避けたいパターン:
- 「こうした課題はあるものの、この取り組みは成長を続けています。」
- 「産業面でも住宅面でも発展している一方で、この地域は都市部に典型的な課題を抱えています。」
- 「有望な応用がある一方で、これらの材料には広範な普及に向けて解決すべき課題があります。」
覚えておきたいのは、これらのパターンが一度だけ出ること自体は問題ではない、ということです。
問題になるのは、複数の癖が同時に出るとき、あるいは同じ癖を何度も繰り返すときです。
人間らしく書く。少し不格好でもいいので、変化を持たせ、具体的に書く。
Source: https://tropes.fyi/tropes-md by ossama.is
Source gist版: https://gist.github.com/ossa-ma/f3baa9d25154c33095e22272c631f5a1