講演などを聴いている時、映画を見ているとき、なんでもいいけど、あらゆる情報受容において、人間は、同じパターンが続くと飽き始めるということが言えると思う。しかし、どのくらい同じパターンが続くと、「飽き」がはじまるんだろう。
とても本質的な問いですね。 結論から言うと、「飽きが始まるまでの長さ」は一つの数値では決まらず、いくつかの層で同時に起きる、というのが現在いちばん妥当な理解です。ただし、研究や実践から見えている目安はあります。
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- 人間が「飽きる」メカニズム(超要約)
人間の知覚・認知は、
- 予測できる状態が続く
- 新しい誤差(サプライズ)が減る
と、脳の報酬系(ドーパミン)が反応しなくなり、 その結果として主観的に「飽き」を感じます。
これは怠惰ではなく、脳の省エネ機構です。
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- 「どのくらい続くと飽きるか?」の実用的な目安
① ミクロレベル(感覚・リズム)
数秒〜十数秒
- 同じ音色・同じテンポ・同じ構図
- 映画で言えば、カメラが動かない長回し
- 音楽で言えば、変化のないループ
👉 5〜15秒程度で「変化がない」と知覚されやすい (だからBGMや環境音は微妙に揺らぐ)
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② メソレベル(構造・展開)
30秒〜3分
- 同じ会話テンポ
- 同じ感情トーン
- 同じ演出の繰り返し
👉 多くの演劇・映画・プレゼンは 30〜90秒に一度、小さな変化を入れている
例:
- 話題の転換
- 感情の反転
- カメラサイズの変更
- 音楽のブレイク
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③ マクロレベル(意味・物語)
5〜20分
- 展開の型が完全に読める
- キャラクターの行動が予想通り
- テーマが更新されない
👉 観客は 「次に何が起こるか分かってしまった」 瞬間から一気に飽きる
映画の「30分で退屈になる」「中だるみ」はここ。
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- 重要なのは「同じかどうか」ではない
実は人間は、
- 同じパターンそのものに飽きるのではなく
- “次も同じだろう”と確信した瞬間に飽きる
これが決定的です。
だから、
- ずっと同じメロディでも、 「次に何か起こりそう」と感じていれば飽きない
- 逆に、少し変えていても、 「結局いつものやつ」と思われたら飽きる
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- 創作・演出でよく使われる原則
● 予測 + 微裏切り
- 7割は予想通り
- 3割だけズラす
👉 完全な新規性より、制御されたズレ
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● 繰り返しには「位相差」を入れる
同じことをやる場合でも:
- タイミングを変える
- 視点を変える
- 感情を反転させる
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- 一言でまとめると
人は「同じことが続いた時間」ではなく、 「同じことが続くと理解した瞬間」に飽きる。
なので、
- 早い人は数十秒で
- うまく設計された体験では何十分でも
同じ構造を楽しみ続けられます。
もしこの問いが、 演劇・映画・音声作品・プロダクト体験など、 特定の文脈から来ているなら、そこに絞って具体例も出せますよ。